公開日
2026.03.17
内閣府規制改革推進会議 第10回医療・健康・介護ワーキング・グループにて意見発表を行いました
2026年3月11日に開催された、内閣府規制改革推進会議第10回医療・健康・介護ワーキング・グループに代表理事の宿野部武志と事務局の池崎が出席し、議論のための意見の報告を行いました。
今回のワーキンググループでは、医療等データの利活用の促進(本人同意不要の医療等データの範囲・利用主体・利用目的の在り方等)について、患者支援団体、関連業界、研究者、関連省庁より報告が行われ、それを基に今後のデータ利活用の方針について議論されました。
ピーペックからは、医療等データの利活用が進まないことによる課題、データの連携が進めば実現されること、これらを踏まえた提言を発表しました。
医療等データの利活用において、私たちが重要だと考える点は2点あります。
①医療等データの利活用は、慢性疾患をもつ一人ひとりの生活や人生を支え続けるためのもの
②慢性疾患当事者が主体的に医療に関わり、予防にも積極的に取り組む(副次的な効果として医療費削減に寄与する)ためには、医療に関する「自分のデータ」は自分で閲覧・管理できるようになる必要がある
①医療等データの利活用は、慢性疾患をもつ一人ひとりの生活や人生を支え続けるためのものn
日々の暮らしや、これからどう生きていきたいかという思いは、治療の根本になるものです。
今の医療の仕組みでは、病院や主治医が変わるたびに膨大な自分の歴史を一から話し直さなければならなかったり、限られた診察時間がその説明で終わり、長い目で見た自分のやりたいことや大切にしていることが話せなかったりします。本当はやりたいことや色々な不安もあるけれど、診察室では「物わかりのいい患者」として主治医と話すことが多い人もいるでしょう。データが連携されないことによって、価値観に基づく治療の実現が難しくなっています。
もし、そうした治療の情報や、これからの生活で大切にしたいことなどの情報が、医療機関の間で共有され、自分の手でそれを見ることができたらどうでしょうか。今の生活を諦めなくて済む選択肢や、将来やりたいことに繋がる長期的な計画を、医師や医療スタッフと具体的に話し合えるようになります。
データの連携は(国の方針においては、「医療等データの利活用」と呼ばれています)、私たちのやりたいことを叶えるための力になる存在です。
病院が変わったり、主治医が変わったりするとき、新しい症状、病気が見つかったとき、治療法を変えるとき。データが連携されると、こうした治療の節目で、これまで共有された情報が私たちとともに、時に私たちの代わりにこれまでの歩みを語り、それを基に周囲が支えてくれるようになります。自分が大切にしたい日常と、目の前の治療が地続きであると実感できたとき、私たちは病院にいても、いつもの自分のままでこれからのことを決めることができ、生活の中でも病気と自分らしく生きていくことができるはずです。
一方で、私たちが病気と共に生きる歩調は、いつも同じではありません。だからこそ、データの連携・活用の仕組みは、決して「患者なのだから、自分のことは自分で管理せよ」と本人にだけ努力を求めるものではあってはならないと思います。
データの連携は、私たちが一人で背負う負担を減らし、どんな状態のときでも必要な支えが途切れないための一種の道具でもあります。医療等データの利活用は、「一人ひとりの生活や人生を支え続けるためのもの」でなければならないと考えます。
②慢性疾患当事者が主体的に医療に関わり、予防にも積極的に取り組む(副次的な効果として医療費削減に寄与する)ためには、医療に関する「自分のデータ」は自分で閲覧・管理できるようになる必要がある
自分の身体のことを自分で把握し、自分のやりたいことをするための治療を実現していくためには、自分に関するデータを自分で見ることができ、それを使えることが不可欠です。
今までは、検査の結果や診察の記録などは医療機関のものであり、私たちはその中の一部を、誰かの判断を通して断片的に受け取ることしかできませんでした。
自分の総合的なデータが手元になければ、治療を含めた生活の全体像を見渡すことができず、どのように歩めば良いか戸惑うことも少なくありません。データを自分たちの手に取り戻すことは、自分の状況を把握し、納得してこれからの生活を組み立てていくための本来の力を取り戻すことだと考えています。
例えば、自分の体調の波がデータとして見えるようになれば、悪化する前に診察のタイミングを調整したり、職場や家族に相談したり、自分なりの工夫ができるようになります。それが結果として、自分らしい毎日を守ることに繋がっていきます。
既にこうした総合的な治療に取り組んでいる臨床現場もたくさんあります。
例えば群馬大学では、既にカルテの情報を本人と共有する取り組みを進めているとのことです。
今後もピーペックでは、病気をもつ人の”こえ”を、確実に社会に届ける活動に取り組んでいきます。
開催概要
第10回 健康・医療・介護ワーキング・グループ
開催日時:令和8年3月11日(水) 10:00 ~ 12:00
医療等データの利活用の促進(本人同意不要の医療等データの範囲・利用主体・利用目的の在り方等)について(フォローアップを含む)