開催日
2026年7月
【開催報告】日本メドトロニック株式会社と「病気をもちながら働く」を考えるワークショップを開催しました
「『病気をもちながら働く』を考える」をテーマに、日本メドトロニック株式会社の社員の皆さんと、病気をもつ/もたないに関わらず共に活動しているピーペックのメンバーが、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)をともに考えるワークショップを企画・実施しました。

開催の背景
ピーペックでは、働くメンバーの約4割が病気をもっています。創立以来、「病気をもちながら働く」「病気をもつ人と働く」を毎日の仕事のなかで実践してきました。
一方で世の中には、病気のことを職場で話せていない人も少なくありません。ピーペックの調査では、難治性疾患をもつ人の16%が、会社の誰にも病気のことを伝えていないという結果が出ています※。属性ごとの制度や配慮だけでは、こうした人たちには届きにくいのが現状です。 そこで今回は、DE&Iを制度や接し方のマニュアルとしてではなく、一緒に働く一人ひとりの目線から考える場をつくりたいと考え、ピーペック自身の経験をもとに新たなプログラムを設計しました。本プログラムの実施は、今回が初めてです。
※一般社団法人ピーペック「病気とワークエンゲージメントに関する調査」2026年報告書より
ワークショップの内容
当日は、午前中に日本メドトロニック株式会社の施設を見学させていただき、医療機器について学ぶところからスタートしました。
午後は約2時間のワークショップを行い、日本メドトロニックの社員とピーペックのメンバーによる混合グループで、どちらの参加者も同じ立場で体験・対話を重ねました。
ワークショップには、日本メドトロニックから9名、ピーペックから9名、あわせて18名が参加しました。「教える側」「教わる側」を分けず、どちらの参加者も同じように体験するのが、このプログラムの特徴です。


プログラムは、大きく2つのワークで構成しました。
1)「もし自分が病気をもちながら働いていたら」を想像し、仕事の上で生まれる困りごとを疑似体験するワーク
2)病気や子育てなど、異なる事情をもちながら働く人たちの日常にふれ、自分の「あたりまえ」を見つめ直すワーク
所属や立場に関係なく、一人ひとりが「もし自分だったら」と想像したり、ほかの人の経験に耳を傾けたりしながら、病気をもちながら働くことや、ともに働く仲間それぞれが違う事情をもっていることについて、考えを深めました。


参加者の気づき
ワークを通じて、次のようなことを参加者同士で確かめ合いました。
- 病気をもっている・もっていないに関わらず、誰にでも、職場では見えていない事情や困りごとがある
- 病気による困りごとの多くは、程度の差はあっても、誰にでも起こりうる
- 「違い」は病気や子育てといった属性だけから生まれるのではなく、そもそも人はみな違う
総括では、参加された方から、「当初は病気をもつ人の声を聞く場を想像していたが、病気に限らず『違いがあることを認め合う』ことが土台にあると実感した」という声がありました。また、「誰が病気をもっているかは周りからはわからない。身の回りに『いない』のではなく『知らない』だけかもしれないという前提で、日々の発言や行動を考えたい」といった感想も寄せられました。 プログラムを設計した私たち自身も、実際に立場の違うみなさんと取り組むなかで、想定していなかった気づきを得ました。すぐに正解を出すことよりも、違う立場の人と一緒に考える過程そのものにこそ価値があると、改めて感じています。
これからのDE&Iに向けて
DE&Iは、病気をもつ人、子育て中の人、マイノリティの人といった、特定の誰かのための取り組みだと受け取られがちです。けれど、大切なのは、「ある属性の人にはこう接する」というコツよりも、「みんな違う」ことを前提に考える視点ではないでしょうか。
見えている困りごとに一つずつ対応するだけでは、声をあげることができた人にしか届きません。自分の事情を周りに話せている人も、話せていない人も、誰もがはじめから働きやすい組織をどうつくるか。今回のワークショップは、この問いを参加者同士で考える時間になりました。
ピーペックでは、いただいたフィードバックをもとに本プログラムをさらに磨き、一人ひとりの「生きるテンポ」を活かせる職場づくりを、より多くの企業のみなさまとともに考えていきます。
ご参加いただいた日本メドトロニック株式会社の皆さま、施設見学からワークショップまで、本当にありがとうございました。
研修・ワークショップにご関心のある企業の皆さまへ
ピーペックでは、企業のみなさまとともに「病気をもつ人も、もたない人も、互いに心地よく働く」を考える研修やワークショップを企画・実施しています。 関心をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。