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活動報告

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ジュネーブ(スイス)で開催されたOur Views, Our Voices Train-the-Trainer Workshopに参加しました(池崎)

ピーペック事務局の池崎です。6月26日から28日にかけてジュネーブ(スイス)で行われたNCD(Non-Communicable Diseases:非感染性疾患)当事者アドボカシー能力強化ワークショップに参加してきましたので、報告します。

The Our Views, Our Voices Train-the-Trainerプログラム(以下、OVOV)は、NCD allianceが主催するトレーニングです。NCDとともに生きる当事者、支援者、および各国/地域のNCDアライアンス代表が参加して行われました。

このワークショップでは、NCDと共に生きる当事者が、政策提言において効果的な代弁者となるためのスキルを身に着け、国レベル、グローバルレベルで、NCD関連の法・社会制度に関する政府への提言(アドボカシーアジェンダ)を広めるため、自分たちの生きた経験を共有し、アクションを起こすための「ストーリー」を皆で構築していくことを目的としています。

メキシコ、日本、バルバドス、トリニダード・トバゴ、ガーナ、ケニア、レバノン、エジプト、ガイアナ、インド、スリランカの11か国から22名が参加しました。

3日間の研修では、まず世界におけるNCDの現況について学びました。WHOの定義では、NCDは大きく下記の5つに分類されています。

・心疾患
・慢性呼吸器疾患
・がん
・糖尿病
・精神・神経疾患

また、リスク因子として、

・不健康な食事
・喫煙
・過度の飲酒
・運動不足
・大気汚染

があるとされています。

※上記のリスク因子は狭義であり、生活習慣によらない因子もあります。そのような因子を今後定義に反映させていく必要があります。

WHOの統計によると、世界で毎年約4,000万人がNCDで死亡しています。これは全死亡者の約70%に相当しますが、日本における率は82%にも上ります。このうちの多くは、教育や医療・社会制度の改革で予防されうるものです。

しかしながら、全世界的にNCDの対策にかけられている予算は、医療費の中のわずか2.2%に過ぎません。

NCD当事者は、適切な治療や医療へのアクセスといった医療的側面の問題だけでなく、就労の機会の不平等、社会の偏見といった人権問題も抱えています。

このような現況を学んだあと、効果的にNCDを取り巻く環境、ひいては社会の変容を進めていくための戦略的な手法を学びました。

まずは、自分のNCDと生きてきたストーリーを他者と共有しました。疾患はもちろん、国や地域、年代を超えて共通する課題や人生の転換点を確認しました。

国が違っても、仲間と繋がること、そして自分の体験を他の当事者や社会に向けて発信していくことが、NCD当事者としてのターニングポイントになっていました。

続いて、それぞれのNCDと生きる個別具体的なストーリーを、どのように「皆のストーリー」に展開し、社会を変えていくストーリーに創り上げていくのかについて、過去の事例や実際の練習を通して学びました。



私は、自分の体験を基に、福岡県で展開している難病支援について「私のストーリー」として紹介しました。

他にも、自分の強みを知り、他者にも強みを評価してもらうワークショップ、ポストカードを使って自分の目指すビジョンを共有するアクティビティなどもありました。

また、意義ある当事者参画や、政策決定プロセスに関わる人へ効果的に訴える方法、よい代弁者についても実践を通して学びました。

特に意義ある当事者参画は、既に結論がデザインされた形ばかりの会議に単に参加するのではなく(Participation; Done to)、適切に責任を付与された、政策決定の意思決定者の一員としての参画(Co-production; Done with)こそが、意義あるもので言えると確認されました。日本における政策決定プロセスにおいても、当事者が参画しているとされるものでも、それが果たして本当に意義あるものであると言えるかどうか、モニタリングや介入が必要だと感じました。

ワークショップ後半は、OVOVを自国で広めるに当たり、適切で効果的なトレーニングに必要な手法を実践で学びました。多様なバックグラウンドを持つ参加者が平等に参加できるアクティビティを国別チームで検討し、実際にファシリテーション(進行)するトレーニングです。


 

日本チームでは、「よい代弁者とは何か」について議論するアクティビティを考え、行いました。他国のファシリテーションスキルの高さを改めて実感したとともに、実践→フィードバック→改善のプロセスを短期間で経験でき、自信もつきましたし、大変勉強になりました。

また、OVOV全体を通し、すべての参加者が安心して参加できるよう、分からない言葉があった場合に使えるアヒルや、発表回数ごとに提出するスプーンなどのツールも準備されていました。言語や文化的背景の違いを考慮しつつ、全員がこのワークショップに参画しているという意識を持てる工夫が随所にありました。



ワークショップに一貫して通底していたのは、当事者の語りには、社会を変える力があるという強い信念です。自分の個人的体験を語ることは、社会を変える大きな一歩になります。それが仲間と一緒だと、より一層力強いものとなります。

私はこのOVOVに参加し、大きな力と自信をもらいましたし、多様な国の当事者と交流し、視野が大きく広がりました。これからのピーペックとしての活動、そしてNCDと生きる一人の当事者として、学んだことを社会に広めていきたいと思います。

ワークショップの様子は、下記からもご覧いただけます。

Stronger together: Growing the #NCDVoices movement through training

https://ncdalliance.org/news-events/news/stronger-together-growing-the-ncdvoices-movement-through-training

 

参考:

NCD alliance  Our views, Our voices
WHO Noncommunicable diseases

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