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両立支援とピアサポートに関するアンケート・難病のある方の就労困難性と就労支援ニーズに関する調査結果のご案内(「病気があっても大丈夫といえる働き方を考えよう 難病の両立支援を考えるウェビナー」にて報告)

PPeCC

2024.03.09

2024年3月9日に開催した「病気があっても大丈夫といえる働き方を考えよう 難病の両立支援を考えるウェビナー」にて報告した、アンケート結果をご紹介します。
当日は2点の調査報告を行っていますので、それぞれご紹介します。

①難病のある方の就労困難性と就労支援ニーズに関する調査結果 (独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター研究部門)

今回、両立支援を考える基礎資料として、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)障害者職業総合センター研究部門が2023年に実施した「難病のある方の就労困難性と就労支援ニーズに関する調査」の結果をご紹介いただきました。調査は、従来の障害認定基準に合致しない難病当事者が抱える就労困難性にフォーカスを当てています。就労困難性につながる障害の特性を明らかにし、就労において必要な支援などを考える貴重な資料となっています。

本調査は患者調査、事業所調査、支援機関調査の3部からなり、今回はそのうち患者調査、事業所調査を中心にご報告いただきました。


報告いただいた結果の一部をご紹介します。
患者調査における障害者手帳未申請の難病患者の、地域支援の活用状況やニーズ等の調査では、一般求人を含め、難病でも無理なく活躍できる仕事への紹介・あっせんや、就労後も本人や職場が困ったときに相談できる継続的支援、治療、生活、就労等の複合的な支援ニーズへの関係制度・サービスの調整といった項目について、それぞれ57%,66%,65%の当事者が「必要な支援だが、利用の仕方がわからない」と回答しています。
支援を受ける際のハードルとして、「利用の仕方がわからない」が大きいことが分かります。後ほどご紹介する、ピーペックが実施した両立支援とピアサポートに関するアンケート結果でも同様の結果が見られます。

事業所調査においては、難病のある従業員に対する配慮や支援の困難・負担感について、難病当事者の雇用経験がない企業ほど困難・負担を感じているという結果が出てきます。難病に対する正しい知識や、想像上の過重な困難や負担を軽減する支援が必要なことが分かります。これは既に就労している難病当事者のこえで解決につながるかもしれません。

今回の報告で紹介した資料は下記からダウンロード可能です。

難病患者の就労困難性に関する調査研究(RDD2024 発表用資料)

https://ppecc.jp/mt_output/docs/activity/c0d3a8ab5e71d5180a245c87220a97718628da5d.pdf


②両立支援とピアサポートに関するアンケート結果(調査実施:一般社団法人ピーペック)

私たちピーペックは、活動の中で、同じ境遇の人同士が支え合う、ピアサポートの活動を行ってきました。また、病気(慢性疾患)をもちながら働く方向けの情報発信も継続して実施してきました。
活動の中で、就労継続において、先輩当事者の声や経験、共感が非常に重要であることを認識してきました。精神保健福祉サービスにおいては就労支援へのピアサポートの活用が多く行われていますが、慢性疾患全体ではまだ活用の余地があると考え、慢性疾患領域におけるピアサポートのニーズと就労現場における実態を明らかにするため、ピアサポートと両立支援の可能性について調査を行いました。

下記に調査結果の一部をご紹介します。
本調査は実施期間が限られていること、疾患の偏りがあること、フリーランスや自営業等、事業所への就労以外の多様な働き方を十分想定していないことなど調査設計の限界がありますが、今後病気をもちながらの生活と仕事との両立支援のあり方を考える上で、参考資料の一つとしていただければ幸いです。

調査概要

実施期間:2024年2月1日~2月12日
設問数:16問 
回答者:116名
対象者:難病等の長期の療養が必要な慢性疾患をおもちの方かつ就労経験のある方(現在働いていない方も対象)
依頼方法:会員向けメルマガ、ピーペックFacebookページ、Xでの広報
回答方法:Googleフォーム

自由記述

自由記述では、両立支援とピアサポートに関するご意見をいただきました。一部をご紹介します。
・ピアサポートの場合、同じような境遇で働く人の生の声が聴けて、自分自身の就労上の工夫の参考にもなると思います。
・ サポートへのアクセスの仕方を多くの人が知ることができれば、と思います。
・ 患者数が少ない希少難病だからこそ、オンラインで同じ病気の人と繋がったりしてどういう風に働き生活しているのかをもっと情報共有する場があればいいと思います。

このほかに、ピアサポートを受けてよかった経験やその理由、反対にピアサポートを受けたくない理由などについても回答いただいています。
全体の報告書は、会員向けページで公開していますのでぜひご覧ください。どなたでも無料でご登録いただけます(登録にかかる時間は1~2分です)。
上記JEED調査と併せてご覧いただくと、難病をはじめとした慢性疾患当事者の両立支援において重要なことが立体的に見えるようになると考えられます。

両立支援とピアサポートについてのアンケート2024 報告書(ログインが必要です)

https://ppecc-salon.jp/member/rdd2024/

ピーペックサロン会員登録ページ

https://ppecc-salon.jp/temp_register/

会員の方は、ピーペックサロンTOPページ「コンテンツ一覧」よりご覧ください。


病気と仕事の両立支援ラボを設立します

JEEDの調査や、両立支援とピアサポートに関するアンケートから、長期の治療が必要な慢性疾患をもつ方が、自分らしく働き続け続けるために必要なことが浮かび上がります。
慢性疾患をもつ方のキャリアを考える上で必要不可欠な、「企業」での就労定着支援について考えるコミュニティを2024年4月に設立する予定です。詳しい情報はピーペックウェブサイトのお知らせにてご案内します。


RDD2024 病気があっても大丈夫といえる働き方を考えよう 難病の両立支援を考えるウェビナーのアーカイブ動画