公開日
2023.07.24
中期経営計画発表会 〜I have a Dream, we share the Dream!〜を開催しました。
2023年7月17日(病気をもつ方・患者会向け)、21日(企業、支援者・関係団体向け)に、一般社団法人ピーペック 中期経営計画発表会 〜I have a Dream, we share the Dream!〜を開催しました。
17日開催はオンライン・対面合わせて約30名、21日は約40名の方にご参加いただきました。
ピーペックのこれまでといま
最初に、代表理事(CEO)の宿野部武志と、理事(CKO)の武田飛呂城より、病気をもつ人とともに歩んだピーペックのこれまでと、未来を概観しました。
2019年のピーペックの設立当初、宿野部と武田はそれぞれ、一般社団法人ペイシェントフッドとNPO法人日本慢性疾患セルフマネジメント協会で病気をもつ人のサポートに携わっていました。
個人のエンパワーメントをそれぞれの活動で支援してきましたが、就労や教育などの課題は、社会全体の理解がなければ解決に向かいません。そうした課題の発信、啓発に重要な役割を果たしてきたのが患者会ですが、当時、疾患を問わず患者会会員の高齢化と新規入会者の減少、それに伴う会の活動基盤の脆弱化という課題がありました。このままでは病気をもつ人のこえが社会に届けられなくなってしまう、そうした二人の共通の危機感、使命感が、ピーペック設立の動機となりました。
ピーペックが設立時に目指したことは4つあります。
- 持続可能な発展(寄付に頼らない、事業収入で団体の基盤を作る)
- 病気をもつ個人の力を引き出す支援を行う
- 患者会や患者支援団体が活動に注力できるよう中間支援を行う
- 病気をもつ人が生きやすい社会(すなわち皆が生きやすい社会)に変える
この目標の下、主要な活動として、コラムによるわたしたちのこえの発信やピーペックカフェ、講演・セミナーの企画運営、じんラボ(ウェブサイト)の運営、みんなでつくろう、これからの医療(PPH)プロジェクト、with Heart/Kidneyプロジェクトや政策提言等を行ってきました(事業詳細についてはこちらもご覧ください)。
こうした活動を通し、病気をもつ人の”こえ”を、あらゆる方法で集積・発信し、新しい価値に変換してきました。活動に参加した(している)方の総計は、17,272人にのぼり、たくさんの方がピーペックの活動にかかわっていることが分かります。
ライフサイエンス企業での講演/セミナーはピーペックの主要な事業のひとつです。講演会や対話会といった社員研修を通じ、病気をもつ人も製薬会社の社員も同じ人であると感じた企業側の声や、自分の体験を相対化することができたという当事者側の感想を紹介しました。ライフサイエンス企業だけでなく、病気をもつ方や患者団体、医療者や医療関連団体向けの支援活動も、設立以来継続しており、10団体30件実施しています。
続いて、SWOT分析を利用し、これからの10年を見据えた、ピーペックの強みや弱みをふまえた戦略をお伝えしました。
ピーペックは、これまでの活動を通して多くの病気をもつ人や、団体、企業、専門家とつながりを構築してきました。これからもさらに病気をもつ人のこえを聞き、具体的なニーズにこたえていきます。
一方で、法人規模が小さく、リソースが限られていることも事実です。これに対しては、パートナーシップを戦略的に進め、組織体制も柔軟に見直しながら、企業と対等に協働できる仕組みを構築していきます。
機会を捉える戦略として、これからデジタル技術の活用や、医療技術の進歩を利用した新たなサービスも提供していきます。また、脅威を緩和する戦略として、ボランティアやプロボノの積極的な活用や、市場分析、モニタリングも継続的に実施していきます。
ピーペックは想いは強いのですが、まだまだ規模が小さく、ヒトやお金や時間が圧倒的に足りない状況です。一方で、自分たち自身も当事者でもあり、病気をもつ人に対する理解と共感は活かしたいと思っています。今後、様々な技術の進歩やニーズを機会と捉えて、これから作りたい未来に向けて前向きに、進んでいきたいと思っています。
ピーペックのこれから
1. ピーペックの事業概念
続いて、ピーペックの事業概念図を紹介しました。(事業概念図については、こちらのページもご覧ください)。
ピーペックのすべての活動のはじまりには、病気をもつ人の”こえ”があります。困りごとや何気ないつぶやき、自分自身の経験や病気と生きる上でのアイデア、病気特有の困りごともあれば、疾患を超えて共通することもあります。
そのこえは、個人レベルだとなかなか社会に届きません。ピーペックはまず、このこえを集めることを最初のステップだと考えています。その方法として、ピーペックカフェを開催したり、ウェブサイトやSNSでの活動、イベントやアンケート等を実施したりしています。
私のこえを、私たちのこえに変えていく。そしてそれを医療者やライフサイエンス企業、行政、社会全体に届け、こえを出してくれた病気をもつ人にフィードバックしていきます。
こうしたサイクルで、世界を変えるために、ピーペックは”こえ”を集積して発信しています。そして、最終的に「どうしようもある世の中」にしていきたいと考えています。
2. ピーペックが大事にしたい価値観
こうしたサイクルを達成するため、ピーペックの大事にしたい価値観について、①楽しむ ②協働 ③自立 ④世界とのつながり の4つのポイントに分けて紹介しました。
楽しむとは、単に楽しい状況を楽しむということだけでなく、困難に出会った時も、それを越えていくことを楽しめる組織でありたいと思っています。簡単に変えられないこと、難しいこともたくさんありますが、それをどうやって変えるか、そこにワクワクを見出していきたいと考えています。
協働は、上下の関係ではなく、対等なパートナーとしてやっていきたいと考えています。病気をもつ人の話が、「貴重なありがたいお話、ありがとうございました」と受け取られるのではなく、同じ目的や志を持って社会を変えるために、同じ目線で役割を果たしていくためのパートナーとして位置づけられることを目指します。
3つ目の自立は、2つ目の協働の前提にもなります。ピーペック自体が社会的に信頼される団体になるため、給与水準や透明性、コンプライアンスの確保等を行っていきます。
そして最後に、海外とのつながり。海外の関連団体等との連携を積極的に行っていきます。海外の先進事例を参考にするのと同時に、国内での活動も世界に発信していきたいと考えています。
また、日本難病・疾病団体協議会元代表理事の伊藤たてお氏が提唱する、患者会の3つの役割を紹介しました(先日開催したみんつくゼミナール開催報告でも詳しく触れています)。
①自分の病気を正しく知ること
②同じ病気の患者・家族どうしの助け合い
③療養の環境の整備を目的とした社会への働きかけ
この3つの要素が循環していくことが、活動の中で重要であると考えています。
3. ピーペックの計画の全体像~ I (私)から We(私たち)へ
病気をもつ人と一言で言っても、その背景は様々です。地方に住む人、都市部に住む人、年代や性別、送りたい生活もそれぞれです。そうした異なるバックグラウンドの人のこえをたくさん集め、発信していくこと。私のこえを、「私たち」のこえに変えていくことをピーペックでは目指します。こうした活動を通し、ピーペック自体が病気をもつ人のエンパワーメントを支援し、病気をもつ人が私のこえ活動をする人に変わっていく。そして患者会をサポートし、もっと社会に発信しやすくする。これもピーペックが果たす役割だと考えています。
続いて、ピーペックの計画の全体像を、1年後、3年後、10年後のタームに分けてご紹介しました。病気を正しく知るという観点から、課題解決型プロジェクトの拡充、病気をもつすべての人に、情報やサポートを提供できるように活動していきます。
助け合い、ピアサポートの観点からは、ピアサポーター養成プログラムを実施し、そのネットワークや専門性を拡大していきます。
社会への働きかけとしては、私たちのこえデータベース(仮称)を構築し、病気と仕事の両立支援事業を行い、病気をもつ「私たちのこえ」を起点に誰もが住みやすい社会を創っていくことを目指します。
この計画を踏まえ、ピーペックに関わってくださっている各ステークホルダーのみなさまに、一緒に取り組みたいことをお伝えしました。
病気をもつ人へ
ピーペックのメンバーの半数は病気をもつものであり、これまでその体験や課題を多くの方々に伝えてきました。 今後はより多くの方々がそのこえを活かすときだと思っています。互いに学び、体験や思いを”こえ”として届ける機会を活用いただきたいと思います。
患者会のみなさんへ
患者会のみなさんとは、これまでも互いに協力し合いながら、ここまで来ることができました。 病気をもつ人への支援を実現するために、私たちがサポートさせていただくこともありました。
今後もいつでもご相談いただくと同時に、連携をしていきたいと思います。大きな志の実現は、 小さなチームでは難しいことも、連携することで病気をもつ人の大きな勇気になれたらと思っています。
企業のみなさんへ
企業のみなさんには、これまでも多くの関わりを持たせていただきました。 まだまだ活かしきれていない”こえ”があり、その”こえ”は、企業の皆様の思いを実現することに貢献できると思っていますし、すでにその実績もあります。 個社毎にその活かし方は様々ですので、改めて個別に相談しながら事業で活用いただきたいと思います。
一緒に働く仲間へ
社内では今回の計画を伝え、みんなでこれからの未来の実現のために、一人ひとり考え、 みんなのアイデアや知恵を集め、取り組み始めています。何より、それぞれのメンバーが主体的に、 自分ごととして捉え、楽しみながら、未来を作っていってほしいと思っています。そのためにピーペックは先駆的な「ワーク・ライフ・コンディション バランス」を提唱します。
共に成長し、価値を作り、社会に誇れる働き方をしていきましょう。
病気をもつ方・患者会向け発表会
17日に開催した病気をもつ人、患者会向けの発表会にはほぼ全員のメンバーが参加しました。

メンバーの自己紹介の他、ピーペックのリブランディングなどに携わっていただいたアドバイザーである株式会社枠の白井康太氏(画像左)から、「こえ」に対する想いやその背景を語っていただきました。
続いて、設立時よりアドバイザーとして伴走いただいている成澤俊介氏(画像右)より、「後悔が多い人生というのは、何かやろうとしたことが多かった人生」だという、落合陽一氏と羽生善治氏の対談での言葉とともに、ピーペックへの期待を語っていただきました。


企業、支援者、関係団体向け発表会
21日に実施した企業、支援者、関係団体向けの説明会では、設立より参画する池崎悠がメンバーを代表してこれからのピーペックへの思いを、そして7月16日より新しくメンバーに加わった大村詠一が活動への抱負を語りました。




病気をもつ人が運営する非営利団体で、こうして長期的な経営計画を発表する機会は多くありません。私たちは、「自立」という観点からもお伝えした通り、一般企業と同等の社会的な存在として、広く関係団体と協働したいと考え、このような機会を設けました。
非営利団体が、当たり前に、キャリアパスの1つとして選ばれ、社会的にもそれが認められることは、病気をもつ人のこえが広く、強く社会に届くことと密接に関係します。
ご参加いいただいたからのアンケートでは、
・是非ビジネスモデルとして成功して下さい。病気を持つ持たないに関わらず、人の集まることが出来る場所になって下さい。
・計画をお伺い出来る機会を頂きありがとうございました。企業、それも医療とは関係が少ない事業者の立場でどのように活動出来るか考えて行きたいと思いました。
・活動される上での価値観や中長期的な方向性をお伺いすることで、今後連携できる部分を探しやすくなるように思いました。
・本日ご発表のビジョンとしてもありましたが、社会に対しての発信を幅広くやっていくことで、ピーペックの活動が世の中にとって当たり前のものになる(全国民に周知される)ことを期待しています。
などのご意見をいただきました。一方で、より定量的な計画を期待していたとの声や、既存の活動で社会へ影響を与えた実績をもっと知りたかったとのご意見もいただきました。今後の発信に反映させていきたいと思います。
n今回の中期経営計画発表会を通し、今まで案件ベースでかかわりを持たせていただいた個人、企業、団体のみなさまにも、ピーペックの全体像や目指すビジョン、ミッションをお伝え出来たのではないかと思います。
また、企業、支援者、関係団体向け発表会におきましては、会場に寄付金箱を設置させていただき、ご参加の多くの方から真心のご支援を賜りましたこと、厚くお礼を申し上げます。活動のために大切に使わせていただきます。
n今回の発表でお伝えした通り、まだまだ課題も多くありますが、みなさまと一緒に、どうしようもある世の中を協働して目指していきたいと考えています。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
nピーペックに関するお問い合わせは下記よりお願いします。
ピーペックに関するお問い合わせは下記よりお願いします。
開催概要
【一般社団法人ピーペック 中期経営計画発表会 〜I have a Dream, we share the Dream!〜(企業、支援者・関係団体向け)】
◆開催日時:2023年7月17日(月・祝) 13:00~14:30
◆対象:病気をもつ方、患者会の方
◆会場: 全国障害者総合福祉センター戸山サンライズ 中研修室(対面)+zoomウェビナー(オンライン)のハイブリッド開催
◆開催日時:2023年7月21日(金) 18:30~20:30
◆対象:ライフサイエンス企業の方、支援者・関係団体の方
◆会場:ステーションコンファレンス東京 503A(対面)+zoomウェビナー(オンライン)のハイブリッド開催
◆プログラム:中期経営計画の発表、Q&A、ネットワーキング(対面参加のみ)