公開日
2022.05.12
with Heart プロジェクト2022開催にあたり

with Heart プロジェクトを担当している、大場です。1年間実施してみて、担当者として、また心臓病の当事者として感じているプロジェクトの特徴や効果等をご紹介したいと思います。
1.with Heart プロジェクトについて
with Heart プロジェクトは、一般社団法人米国医療機器・IVD 工業会(AMDD) の後援を受け、2020年11月よりスタートしました。正式には、「みんなでつくろうこれからの医療”with Heart プロジェクト”」と言います。ピーペックが進める「みんなでつくろうこれからの医療」と同じ理念で実施していますが、違いは以下の2点になるかと思います。
1)心臓病に特化したプロジェクト
ピーペックは、病気の種類などにこだわらず疾患横断的な課題解決を目指していますが、with Heartプロジェクトは、心臓病に特化しているのが特徴です。
しかし、心臓病と一口に言っても、発症時期や治療経過、重症度などは人により異なります。生まれつき心臓が悪い方から、高齢期に病気になる方もいます。また、重症度も治療により以前と同じレベルの生活が過ごせる方から、強い運動制限を受けるなど様々です。心臓病と枠を設けながら、このような多種多様な心臓病をもつ当事者と医療に関わる方が一緒に課題などについて考え「心臓病があっても大丈夫」と言える社会の実現を目指しています。
2)心臓病の治療機器にフォーカスしている
AMDDが後援になっていることもあり、重要なテーマの1つに心臓病の治療機器があります。心臓病の治療も、他の病気と同じように投薬治療が中心です。しかし、重症化など投薬では治療が難しい場合は、外科的な治療を行います。外科的治療により飛躍的に症状が改善する場合もあります。また、その治療法も、カテーテルを使った身体の負担の少ない手術から、人工心肺を装着し胸を開くものまで様々なレベルがあります。また、心臓の中に医療機器を植込む治療もあり、治療の中には新たな薬の投与や生活制限、自己管理が必要なものもあります。
投薬治療だけの場合は、副作用など何かあれば中止する事ができますが、一度心臓に機器を植え込んだ場合は、それを取出すことはリスクもあり容易ではありません。
心臓病の治療機器を扱うことで、投薬治療だけでは分からない様々な課題やより深刻な未だ表出していない問題が明らかになると思います。
2.プロジェクトの効果や意義について
1年間プロジェクトを実施して、興味深い出来事がありました。
昨年は、「当事者と企業の距離を縮める」をテーマとし、医療機器セミナーを開催し、参加している企業の方から心臓病の治療機器のプレゼンテーションをしてもらいました。馴染みのない治療機器に対し、参加者が興味を持ってくれるか不安でしたが、開催後のアンケートでは、「自分とは関係なくても興味深かった」「医療機器について、もっと知ろうと思った」「医療機器を使う治療の不安が減った」との声が寄せられました。
当事者にとっても治療機器は、実際に使用する段階になり知らされることが多いです。しかし、普段から治療機器について学べる場や機会があることで、いざ治療を受ける段階になった時に前向きにスムーズに治療に取り組めるようになると感じています。
他にも、プロジェクトでは心臓病の当事者と企業が小グループでディスカッションをする場を設けました。実施する前は、当事者と企業という立場が異なる者同士や、同じ心臓病でも先天性と後天性の方同士で、意見の対立などが起こるのではないかと内心不安がありました。しかし、それは杞憂でした。お互いに立場や違いを尊重しあった話し合いが進められました。それは、回数を重ねる度に、お互いの関係が深まり増していくように感じました。参加者からは様々な人と話ができて勉強になったという感想をいただきました。
私も心臓病の当事者ですが、これまで会ったことはありません。お互いに知ることで、他の方の理解になるのと同時に、自分の病気などについても理解ができるように感じます。他者を知る事は、自己を知る事でもあるのです。
3.今後の展開について
現在、心臓病をはじめとする循環器病の分野でも大きな変化がおこっています。2019年10月に循環器病対策基本法が施行され、がん対策と同様に、循環器病分野でも予防や医療、福祉サービスが総合的に推進されることが目指されています。今年度からは、各都道府県で定められた循環器病対策推進計画に基づき具体的に事業が展開される予定となっており、これらの計画を管理する推進協議会へは、当事者の参加が求められています。よりますます、心臓病をもつ当事者が声を出す必要性が高まっています。
プロジェクトも2年目に入り、また一歩前進します。
今年から一般社団法人日本循環器協会と公益財団法人日本心臓財団が後援に加わります。先の循環器病対策基本法の推進も視野にいれながら、with Heartプロジェクトが少しでも心臓病領域の課題解決の一助に寄与できればと思います。
with Heart プロジェクトに興味を持たれた方は、ぜひホームページをご覧ください。
プロジェクトでは、共に「心臓病があっても大丈夫」と言える社会を実現するメンバーを募集しています。プロジェクトメンバーとして一緒に活動できれば嬉しいです。
これから、新たな1年間がスタートしますが、今年はどんな人と出会えるのか、どんな出来事が起こるのか。とても楽しみにしています。
「心臓病があっても大丈夫」と言える社会の実現へ。
心臓病のことについて、学び・知ることで、みんなでこれからのより良い心臓病の医療をつくっていきましょう。多くの方のご参加をお待ちしています。