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公開日 2022.05.13

障害者在院ワーカーの1日

障害者在院ワーカーの1日

皆さんは、障害を持っている且つ病院で生活しながら働いてる人がどのような生活をしているか想像できるでしょうか?
僕は「脊髄性筋委縮症」という、筋力が低下していく疾患を持っていて、現在は指先が1~2センチほどしか動きません。
なので、歯磨きや着替え、入浴、排泄、日常生活のほぼ全てに介助が必要です。
ですが、ベッド上では自作コントローラーや小さめの市販マウスを使用し、また車椅子上では車椅子のコントローラーがBluetoothマウスになったりして、PCは比較的自由に自分で操作ができます。
こういった工夫をして、在院ワークをしています。

今回は、僕の1日の過ごし方を紹介します。

【午前4時30分】

起床から始まります。こんな時間に起きて何をするのか・・・、排泄をします。
その後、服を着替えて730分まで暇な時間を過ごして、朝食を食べます。
この暇な時間は何をしているでしょうか?漫画や参考書を読んでいます。ですが、この為に早起きしている訳ではありません。
他の患者さんの介助等があるため、この時間に準備をしないと、仕事をするために早く車椅子に乗れないのです。

【午前9時】

これだけ早く準備をしても、車椅子に乗れるのはこんな時間です。
逆に6時に起きたとすると、乗れるのは11時になるはずです・・・。これでは仕事ができないので、仕方ありませんね。

話は戻って、作業療法室に行ってテレワーク開始です。
ピーペックの仕事中ですが、業務中でも作業療法士や他の患者さんに話しかけられて、パソコンやゲームをやりやすくするためのソフト開発や、患者会の仕事などを頼まれます。そして、急に検査に呼ばれたりもします。

【午前11時30分】

昼食の時間です。
僕たちが食べやすいように肉などが柔らかく調理されているのですが、病院食なので味が薄いです。デミグラスハンバーグとかマジで肉の味しかしません。
でも、月に数回は自由食の日があって、カップ麺やスナックフードなど、味が濃いものが食べられます。

【昼食後~】

午後も、1430分まで同じように過ごします。
そこからはベッドに上がり、病棟の仕事をしたり、余裕があればゲーム等の余暇を過ごしたりします。

【午後5時30分】

夕食の時間です。
夕食は自由食の日がないので、味がしないものしか食べられません。
とても悲しい気持ちになります。

【午後6時30分】

パソコンをするための自作コントローラーやマウスなどの道具を片付けます。
就寝の時間まで、ワンスイッチでめちゃくちゃ作業効率が悪い時間を過ごします。

【20時】

就寝です。
夜はこれからだというのに、寝なければいけません。
他のゲーム仲間はみんなこの時間にゲームで遊んでいるのに、僕は一緒に遊ぶことが出来ません。お陰様で僕は”ゲームぼっち”です。
どうにかならないかと交渉したいのですが、ルールなので交渉の余地もありませんね・・・。

このような1日を見ると自分の時間が少ないように見えるかもしれませんが、他の患者さんは全部余暇の時間を過ごします。
僕は、余暇の時間に仕事をしています。
ちなみに僕達患者は、諸々の制度のおかげで仕事しなくても生活ができます。ではなぜ働いてるのでしょうか?

それは、自分はこんなことができる。役に立てる。そういう自己表現をするために働いてると考えています。

普段、人の世話になっている僕は、人のためになれるのだろうか?
障害者は働けないと言われた。本当にそうだろうか?
それを、確かめるために。
自分の存在価値を実感するために。
そして、お世話になった人達に「人のためになれる仕事をしている」ということを自慢するために。

僕は今日も、病気とともに、病院で生活しながら働いています。

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