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公開日 2022.01.05

どうしようもある世の中へ

どうしようもある世の中へ

私たちピーペックがビジョンに掲げている、「どうしようもある世の中へ」。
どうしようもある状態とは、一体どのような状態なのか。生きづらさを抱えていたり、困りごとを抱えていたりした当事者たちが、どのように「どうしようもない」を「どうしようもある」状態に変えていったのかを、実際の事例を交えてご紹介します。

わたしたちが考える「どうしようもある」

困っていたり生きづらさを感じたりしている人達の課題が共有され、当事者として課題解決のための取り組みに主体的に関わっている状態です。これを私たちは意味のある参画(※1)と考えています。

最も「どうしようもある」から遠い状態

例えば、既に決まっている仕組みやきまりが変わる可能性がなく、一方的に製品が供給されたり、情報が与えられたりしている状態は最も「どうしようもある」から遠い状態です。

毎朝飲む薬が大きくて飲みづらいAさん。我慢して飲んでいますが、どこに意見を送ったらいいか分かりません。
勤務先では有給が全部月1回の通院に消えてしまいます。通院休暇が欲しいけれど、会社が大きいので誰に相談すればいいかも分からず、1人の意見だけでは就業規則も変えられなさそうです。
これは最も「どうしようもある」から遠い状態です。

ちょっと「どうしようもある」かもしれない状態

ちょっと進んだ状態は、当事者の声を一応聴いている「だけ」の状態です。
先ほどのAさん。製品相談窓口に連絡してみました。当事者の声を届ける窓口はあるようです。しかし、そのお薬を作っている会社では、特に当事者の意見を製品に反映する仕組みがないようです。

会社では、会社の仕組みに関するアンケートが行われました。通院休暇について意見を書いてみましたが、音沙汰がありません。

製品・サービスを使っている人の声をアンケートで聞き、解決策に当事者の考えが反映されない、仕組み・政策決定時に当事者の委員を形だけ置くだけ、薬を飲む人の意見を聞くだけで、何ら政策・製品にその意見を反映させない状態は、ちょっと「どうしようもある」かもしれませんが、私たちの目指す「どうしようもある」状態ではありません。

「どうしようもある」状態

薬が大きくて飲みづらいと意見したAさんでしたが、後日、薬の開発部門から、当事者の声を直接聞き、開発につなげたいと連絡がありました。

その開発部門は、今後も定期的に色々なユーザーから要望を聞く会を設置し、意見がどのように開発に反映されたかを教えてくれるようになりました。

勤務先では、会社の仕組み・ルールに関するアンケートづくりを、あらゆる部署の、色んな雇用形態の人を含めて行うことになりました。そして、アンケートの結果から必要な部署、人にヒアリングを実施し、会社の仕組み・ルールづくりを考える会が設定されました。
その結果、Aさんのほかにも通院で有給がなくなっている人が多いことが分かり、通院休暇の検討が始まりました。

課題に直面している当事者が意思決定に適切に関与している状態、つまり状況を「どうにか動かせる余地がある」状態が、「どうしようもある」状態と言えます。
次回以降、この「どうしようもある」状態の具体的な事例を見ていきたいと思います。

(※1) : Meaningfully Involving People Living with NCDs: What is being done and why it matters

2.2 Defining Meaningful Involvement: From ‘Participation’ to ‘Collaboration’ and ‘Co-Production’ 

https://ncdalliance.org/sites/default/files/resource_files/MeaningfulInvolvingPLWNCDs_Report_FINAL.pdf

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