病気をもつ人の“こえ”を届ける
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実施期間 2019年〜現在

みんつくゼミナール

病気をもつ人、ライフサイエンス企業、医療者、研究者といった立場の異なる人たちが協働し、これからの医療をつくるにはまずお互いを知ることが必要であることから、2022 年より「みんつくゼミナール」と題したセミナーを開催してきました。

みんつくゼミナール

目的と特徴

本ゼミナールは、単なる知識の習得や専門家の養成を目的とはしていません。PPIへの心理的なハードルを下げ、誰もがそれぞれの立場で自分にできることを見つけるための場です。そのため、以下のような点を重視しました。

  • 対話重視のスタイル:異なる立場の登壇者による講演と、参加者を交えた双方向のディスカッションを軸としています。
  • 思いを共有する:マニュアル的に制度や知識を伝えるのではなく、実践者の経験や葛藤などに触れることで、参画への具体的なイメージを育みます。
  • 開かれた協働:特定のコミュニティに所属しない病気の当事者・市民や、PPIは無縁と思っている人にもアプローチし、誰もが参画への一歩を踏み出すきっかけになります。

3年間の歩み

年度フォーカス内容
2022年違いを知る患者、医療者、企業、それぞれの視点や立場の違いを理解する。
2023年現状を学ぶPPIの歴史や国内外の現状、協働の具体的事例を学び、参画への意識を高める。
2024年共に高め合うPPI実践のための力を養い、立場を超えて高め合う関係性を築く。

動画

<2022年:1年目> 病気をもつ人や医療者、企業の立場の違いを知る

第1回(2022年6月4日)
「『思い込み』と『すれ違い』を無くそう」

轟浩美氏より、医療現場や日常生活で無意識に抱いてしまいがちな“思い込み”と“すれ違い”について具体例を提示しながら解説。清水研氏より、立場の違う人同士が互いを理解し合うためのポイントを4つに分けて紹介します。

第2回(2022年9月4日)
「PPI (患者市民参画)っていう前に~コミュニケーションのズレをどうするか~」

市川衛氏より、同じ言葉でも感じ方がずれてしまう「コミュニケーションのズレ」について実例を交えながら紹介。患者と医療者が言葉を共有する際に気をつけたいこと、すぐに使えるコツを教えてくれます。


第3回(2022年10月16日)
「思い込みやズレを乗り越えて納得のいく意思決定をするためには?」 

大野智氏より、患者·医療者·ライフサイエンス企業それぞれの立場での「意思決定」の仕組みを様々な“こえ”も紹介しながら解説。心配ごとを伝えるコツや、相談しやすい窓口の見つけ方など、普段から役立つヒントが盛りだくさんです。

第4回(2022年12月18日)
「ルールブックチーム制作 『みんつく協働ガイドブック』を知ろう」

 PPHプロジェクトのメンバーが、多様な立場で言葉を丁寧に選びながらつくり上げた「協働ガイドブック」の背景と使い方を紹介。チームワークの大切さや、対話を深めるポイントがわかります。

第5回(2023年2月5日)
「ペイシェントジャーニーから考える『あの時、必要だったこと』」

天野慎介氏より、ご自身の経験をもとにがん対策基本法ができるまでの道のりを紹介。病気をもつ人の“こえ”が社会を動かした瞬間や、未来のPPIに必要な視点をやさしく紐解いてくれます。


<2023:2年目> PPIの歴史や現状、協働事例などを学ぶことで、医療への参画意識を高める 

第0回(2023年7月2日)
「患者・市民参画(PPI)とアドボカシーの意義」

当団体理事 武田飛呂城より、日本におけるPPIの歩みや自身の体験を共有。質疑応答では、企業と当事者が互いに尊重し合うための心がまえや、 “こえ”を届けるコツについて話しています。

第1回(2023年10月1日)
「患者の“こえ”で社会を動かす」

桜井なおみ氏より、がんと向き合いながら働く患者さんの“こえ”をメディアでどう伝え、社会を変えたかを具体的に紹介。多様な人が共に暮らす「ミックスサラダ」のような社会のイメージも楽しく学べます。

第2回(2023年12月3日) 第一三共株式会社共催
「共に創る“よりそう治験”のカタチ」

山崎真澄氏より、がんゲノム医療の現場で感じられる“想い”を、当事者と研究者の両面から紹介。安心して参加できる治験づくりのヒントが得られます。

第3回(2024年2月4日) アステラス製薬株式会社共催
「人とテクノロジーの共生で拓く “これからの医療” 」 

伊藤亮氏が、先天性ミオパチーを抱えながらの日常を率直に語り、上原皓氏が実際の協働事例(装着型サイボーグHALなど)を解説。テクノロジーが支える新しい医療の可能性を感じられます。

第4回(2024年3月31日)
「患者の“こえ”を未来につなぐ ~みんなで話そうこれからの医療~」

過去4回をダイジェストムービーで振り返り、「私にできる・やってみたいPPIとは?」をテーマにディスカッションを実施。登壇者が語る経験やアイデアに、これからのPPIをつくるヒントが散りばめられています。


<2024:3年目>より創造的な学びと対話や交流を通して、立場を超えて互いに高めあう学び合いの場を創造 

第1回(2024年10月27日)
「医薬品を公平に手にするために、私たちができること」

小林信教氏より、ドラッグラグ・ロスの歴史や現状を分かりやすく解説。PPI(患者市民参画)の意義や、日本市場の魅力をどう伝えていくか、一緒に考えるきっかけになります。

第2回(2024年11月24日)
「病気をもつ人の“こえ”が届く社会へ」 

千正康裕氏より、医療政策づくりの流れをやさしく紹介し、当事者の“こえ”を届けるポイントを解説。具体例と共に、仲間づくりや協働のコツがつかめます。

第3回(2024年12月15日)
「研究者と病気をもつ人の対話コトハジメ」

武藤香織氏が〈疾患〉と〈病い〉の違いを解説し、研究者との信頼関係を築くためのポイントを具体的に紹介。安心して対話できる環境づくりのヒントがあります。

第4回(2025年2月9日)
「病気をもつ人の“こえ”を医療の未来に活かす」(総まとめ in 東京)

長谷川一男氏と小村悠氏がそれぞれの立場からPPIの実例を講演で紹介。パネルディスカッションではこれまでの学びを振り返り、研究者らを加えて、この先3年のPPIについて意見交換しました。

活動の成果

  • 延べ参加者970名、アーカイブ視聴者数1486回(2026年2月現在)

参加者からは、PPIの実践に関する様々な側面を知ることで自分にもできるという感覚をもてたという声や、周囲の人にもPPIについて伝えていきたいという声も寄せられました。
当事者が主体となって企画・運営に関わることで、制度論や形式的な方法論に留まらない、個人の「経験」や「思い」に根差した血の通った議論が行われているのが、本ゼミナールの大きな成果です。他団体・個人との連携を継続しながら、PPIに関する実践的な学びと情報発信を行うプロジェクトとして認知され、日本におけるPPI活動の重要な拠点となりました。

今後の展開

日本のこれからの医療を素敵なものにするために、病気をもつ人視点の治療・薬・サービスを「あたりまえ」にするため、「病気をもつ人・患者会」と「ライフサイエンス企業」をつなぐ【ハブ/架け橋】としての役割を果たし、両者の交流と協働を推進します。

共創・協働のご相談

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